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山村幸広の一日、一グラム

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「おでんは関西の美味しさ」 8月23日

今日はやけに涼しい。朝起きて、窓を開けると昨日の東京とは空気ががらっと変わっていた。今年もこれで夏は終わりであろうか? 暑い夏。早く終わって涼しくならないかとよく思うが、自分の人生の中で、あと何回夏が来るかといえば、寿命で考えれば50回もないであろう。そう考えると非常に貴重な夏が終わっていく。人間とは何事にも満足をしないもので、春夏秋冬があるこの国にせっかく生まれた幸運を忘れ、やれ夏は暑い、冬は寒いと文句をいう。その変化が時の流れを実感させる事を忘れている。時間は人間が勝手に決めた単位であるが、宇宙において時間の経過とは変化でしか表せない。変化がなければ時間の経過はないという事である。

 夏が終わって秋の楽しみといえば、やはり食べ物である。そろそろ秋の食べ物が賑わっている。「松茸」「秋刀魚」などがもうすでに市場では売られている。秋に入って、週末には台所にたつ事が多い小生であるが年に1回は必ず作る料理がある。それが「おでん」である。東京にも多数のおでん屋があるがどうも上品すぎて味に深みがない。根本的なダシの考え方に違いがあるのか、このしょうゆを濃く使う土地が、なぜかおでんは薄い。これは関西を意識しているのであろうか? おでんはしっかりと煮込んで味をしっかりつける。見た目より味である。

 おでんを家で作ると、どうしてもたくさん作ってしまう。よって悪友達と土鍋をつつくという事になるので酒が必要である。おでんには吟醸酒よりしっかりとした酒らしい味の酒が良い。新潟の「ひがん」より、長野の「明鏡止水」や山形の「ひとりよがり」などがしっくりなじむ。ビールグラスがちょうど良い。自宅でおでんを作るとき一番困るのが「牛のすじ肉」である。これでダシをとるのでどうしても必要であるが我が家の近くには「牛すじ」が売っていない。この時ばかりは、広尾の明治屋さんへいく。もちろん売っていないのであるが頼めばくれる。出していても誰も買わないので捨てるそうである。ごっそり頂いて300円ほどであるのでまさに「くれる」という表現があっている。

 まずは土鍋にこんぶとかつおでダシをとる。こんぶは絶対に沸騰する前に土鍋からあげる。深いこんぶ味がほしい場合はぬるい湯に30分程度浸してそれをダシにする。かつおも絶対に沸騰させない。土鍋一杯にかつお入れて一瞬であげる。上からおさえて沈める必要もない。かつおもこんぶもいわゆる最初のでる味だけを使うのである。これがひとつのポイント。そしてその後に酒とすじ肉を入れ煮込むこと約1時間。焼酎の水割りでもやりながら、まじめにこまめにアクをすくう。1時間もたてばほとんどアクはでなくなる。そして時間のかかる素材から土鍋にいれる。「じゃがいも」「大根」「たまご」「こんにゃく」「平天」「ごぼ天」「ちくわ」「あつあげ」「がんもどき」。関東の「ちくわぶ」と「はんぺん」はどうしても好きになれないので、入れない。そして小生は蛸を入れる。蛸は少し奮発してよいもの、足の大きいものを選んで入れる。これが一番高いネタである。蛸は土鍋の中で煮るが色がだしにでて少し赤く、濃い色になってしまう。小生はこの味がまた好きなのだが色が気持ち悪い人は別に煮る。すじ肉で煮込んだ蛸がこれまた旨い。そして約1時間。アクを丁寧にすくいながら焼酎をもう一杯やる。その後、砂糖と薄口醤油、濃口醤油を50:50でいれて、最弱火で30分煮込む。特に野菜類はダシでしっかり煮込んでから味をつけるのがポイント。最初に醤油を入れると醤油辛くなるだけである。するとなんともいえない美味しいおでんが出来上がる。はっきりいって時間をかければ安い値段で誰でもできるのが、おでんの良いところである。関西の庶民代表料理なのである。

 ビールで乾杯。5、6人で鍋をつつく。これが最高である。日本酒があっというまに1、2升空いていく。その頃にはもうみんないい気分である。幸福+口福。後はグタグタとくだらない話題を繰り返す。いつの間にか鍋は空である。

シメが欲しい時は、ここにうどんをいれて、アオネギを細かく入れて食べる。食べきれない時は次の朝の雑炊になる。雑炊はアオネギと一緒にしょうがをすっていれる。二日酔いがすっきりとしてくる。

 仕事の後におでんが食べたくなったら、西麻布の「六根」へいく。ちょっと高級志向で庶民向けとはいえないお洒落なおでん。一品、一品、皿に盛りつけられて美しい。何といってもこちらの「すじ肉」が大変美味しい。スープも最後まで飲み干す旨さ。あまり関東の人には「すじ肉」はなじみがないであろうが是非、お試し頂きたい逸品である。これは本当に旨い。家で食べられない物をさがすとこの店になった。深夜遅くまでやっていて酒の種類もおでん以外の料理も豊富で重宝するお店である。こちらのよく冷えた竹酒が酒らしいコクのある酒で、おでんにピッタリである。

 うーーん。書いている間に食べたくなってきた。週末でもやってみるか。皆さんも試しにどうぞ。初秋を感じられる時間である。
「さて誰を、家によぶべきか。」

山村幸広


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