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山村幸広の一日、一グラム

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上海・北京2泊3日 北京編 7月7日
上海・北京2泊3日 北京編 7月7日_a0000002_103630.jpg 上海から北京へ移動。上海では最近見られなかったものがあった。それは「回転式ドア」。なぜかドアが廻っているのに違和感を覚える。そして日本で食べれない、吉野屋の牛丼。牛丼がどうしても食べたい人は、上海へいけばよい。

 北京も暑い。いつもの渋滞の中ダウンタウンへ向かう。わいてくるような多数の自動車。しかし日本車は非常に少ない。それもほとんどHONDAである。メジャーな車はドイツ車である。日本の車メーカーは歯軋りしながらこの光景を見ているのであろう。何年後かには日本車を多数見かけるようになっていて欲しい。中国の平均月収や庶民の生活を考えて、なぜこんなに車が走っているのか? 富裕層はほんの一握りといわれるが、なにせ人口が12億人、ほんの一握りでも数千万人になる。カラーTVは小さいテレビが売れない。売れるのはほとんど大型TVである。その市場は6000万世帯というから、富裕層世帯が日本より多いことがおわかりになるだろう。買える人は大型TV。買えない人は小さいTVも買えないのである。携帯電話しかり。高い携帯電話は1台、約10万円。大卒エンジニアの給料の3、4カ月分である。それでも世界一の携帯電話マーケットである。

 やはり北京は首都としての風格がある。歴史があり、人々にもその誇りがある。上海人と北京人は非常に仲が悪い。小生のパートナーは典型的な北京っ子。上海の悪口ばかり。決して認めようとはしない。上海の料理がおいしいと言うと、「こんなもの北京には山ほどありますよ。」と悪態をつく。この仲の悪さは、大阪と東京以上である。しかし通信キャリア等の国がからむビジネス以外は、上海の方が元気がいいのは事実。やはり香港の影響が強いのは上海だ。それはビジネスにも料理にも感じる。しかしこの国は北京を抑えておかないと勝負ができない。

 いつもの光景をながめながら、常宿のグランドハイアット北京へ到着。北京の中心である王府井(ワンフージン)のど真ん中。最高の立地条件である。北京でのホテルはセントレジスかここグランドハイアットである。部屋はハイアットお得意のイタリアンモダンで、少しシャープすぎる感もあるが部屋が大きく、リネン等のアメニティのクオリティも高い。もし北京でお泊りになるならこちらをお薦めする。小生のホテルを選ぶ基準は前にも述べたが、一番大切な要素は新しい事である。ホテルには歴史をもとめない。新しいホテルの方が清潔、部屋が広い、ベッドが新しい、リネンが綺麗。そして何より水回りが良い。シャワーの水圧が低いのは何より嫌いである。ホテルは新しいに限る。

 夕刻、今回一番愉しみにしていたレストラン「レイカサイ」に向かう。同行した小山薫堂さんは2回目の訪問。「レイ」がどうしても漢字変換しないのでカタナカで書くが、「カ」は「家」、「サイ」は「菜」であり、訳すと「レイ家の料理」という事になる。英語の名刺を頂いたが、「Family Li imperial Cuisine」。(しかしどう発音しても「リー」であるが、何故、「レイ」となったのだろうか? 普通に読めば、「リーカサイ」であるが。まあ何か理由があったのであろう。)

 ご主人のリーさんは80歳を超えているが写真の通り非常にお元気である。そして大学の数学教授である。幸運にも色々な貴重なお話をお聞きできた。世界中のグルメを唸らせてきたこのお店であるが、お店自体は本当に普通の家である。1日4組のお客さんしか入れない。写真の通り、まあはっきりいえば普通の庶民のおうちである。厨房もほとんど普通の家の台所。これが「レイカサイ」じゃなければ誰もはいらないといった感じ。場所も中々、観光客ではいけない場所である。小生が北京で一番好きなレストランである「四川飯店」のすぐ近くにある。

 こちらの料理は宮廷料理。リー氏の祖先はあの西太后の料理責任者。1日に150皿の料理を指揮していた。料理はコース料理を選ぶ、300元(約4200円)から2000元(約28000円)だそうだ。ちょっと贅沢に600元(約8400円)のコースを注文する。パートナーの中国人に言わせれば、400、500元の料理で十分だそうだ。奥様は日本語が達者という事で、私たちに日本語でコースの中味を書いてくれた。その品書きは20品あり、フカヒレやアワビも含まれていてくいしんぼうの我々も食べきれなかった。そしてリー氏は一品、一品解説をしてくれる。(はっきりいってしゃべり好きのいいおじいさん。)師、曰く「農薬の入った野菜は絶対に使わない。」「美味しい素材は海外のものも使う。」当日頂いたホタテ貝はオーストラリア産だそうだ。メルボルンにも支店を出されている関係であろう。六本木の開店の時は、リー氏も来日されたそうである。「サシミは食べなかったよ。」

 料理は一品、一品に味わい深い。前菜が素晴らしい。多数の豆腐がとても美味しい。宮廷料理と聞くと贅沢な素材を使った高級料理というイメージがあるがそうではなかった。家庭料理のような暖かさを感じた。とても素朴さを感じさせる料理なのだ。特に全コース料理20品(デザートを除いて!!)のうち半分をしめた前菜は、日本で言う、「ひじきの煮物」「千切り大根」「おから」といったイメージに小生は感じられた。毎日の料理なのだ。そしてポリシーがある。誰かがフカヒレを食べているときにウエイトレスさんに「黒酢」をたのんだ。厨房の中から人が飛んできた。「『黒酢』をかけるのは香港料理。宮廷料理ではかけたりしません。」そして「豚の角煮」がでた。「この料理は西太后が大好きだったんだ。」「又、先週きたアナン総長もこれが大好きなんだよ。」このお店に世界中のVIPが足しげく通う。生き字引きのリー氏が歴史と共に客を迎える。ここに来ただけで北京にくる値打ちがあるというもんだ。

 厨房の中にいれてもらった。驚いた。中国料理は火力が命と聞いていたし、そう信じていた。家で中華を作った時にイマイチうまくないのは火力のせいだという事にしていた。しかしこちらの厨房はご覧の通り、ガスコンロである。火力は関係ないという事が実証された。料理人曰く、「強い火で料理するのは中国料理。うちは宮廷料理。宮廷料理は強い火を使わない。」

 帰り際に、リー氏と握手して記念撮影。「また来てくださいな。」「もちろんです。北京に来る時必ず。」そういって店を後にした。店に歴史がある。人に歴史がある。帰り道にも歴史がある。北京は奥深い人のやさしさで我々を迎えてくれる。北京に一度、旅に出かけて頂きたい。そしてブラブラと時間の流れを愉しんでいただきたい。故宮にいってあのラストエンペラーを思い浮かべながら高い赤い壁の横を歩き、地元の店に飛び込み、飲茶を愉しむ。週末の「がらくた市」を冷やかし、また町を歩く。そして夜は「レイカサイ」へ。是非カメラを片手に。この土地はビデオより写真が良い。それを眺めてリラックスできるのは北京しかない。

 ベッドに滑り込み、翌朝早朝5:00に起床。NH956(全日空)で成田に向う。機内では爆睡。目がさめぬまま車に乗り込む。14:00には次がある。都内に近くなるとレインボーブリッジから東京タワー、ビル街が見える。徐々に体のスイッチが入る。

 中国と日本をもっと近くしたい。

山村幸広

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  • by yamamura2004 | 2004-07-07 09:20
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