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山村幸広の一日、一グラム

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京料理 「京都 あじ花」 9月16日
 そろそろ京都が輝く季節である。京都の楽しみといえば京料理である。「京料理は器で食す。」というぐらい京料理の料理人の器に対する思い入れは深く、その造詣も深い。そして色々な自然の装飾をし、器にもられた京料理は美しく輝き、写真に撮ればとても絵になる。京料理は全体のプロデユースである。京都弁、玄関、店先、店の雰囲気、料理人、器、盛り付けの全てが揃って京料理なのである。これはお茶会のようなものである。「お茶」は茶を飲むだけではない。茶碗、茶杓、掛け軸、花、おひがし等々、全てが「お茶」である。要するに、掛け軸が分らない人、器(焼き物)を知らない人は正客にはなれない。お茶会を開く人は、財産をかけて真剣勝負で、その茶事を演出する。お茶はプロデースするものである。京料理、京懐石の基本はお茶事にある。茶会での料理が京料理の原点である。そうゆう意味では京料理も含めて全ての道はお茶に通じるとは誠の真理なのかもしれない。

 しかしその京料理も肝心の味はいかがなもんか?? はっきり言って、器や演出、盛り付けに気をかけている割には、味、素材に心が無いお店が増えている。雑誌によく取り上げられるお店でも、そうゆう店が少なくない。観光客に「京都はいいなあ」の印象は残せても、味の印象まで残す事が出来ないお店が多いのも事実である。京都は1200年培ったブランド、歴史で食べている街である。しかしそれにかまけていては京都ブランドの次が心配である。お寺も、紅葉も桜も自然が与えてくれた財産だけで生きていくのはちょっと都合がよすぎるのではないだろうか? 京都人として不安を感じる。やはり料理人は「綺麗なお料理」と言われるよりも「旨い」といわすのが仕事であり。それが喜びではないであろうか?

 そんな中でこの「あじ花」さんは別である。四条の歌舞伎座の裏に小さく構えるこのお店は京都人に愛されてやまないお店である。派手な器も盛り付けもない。お店から美しい庭が見えるわけでもない。しかしこちらは京料理といわれる代表的なものの全てが美味しいのである。味をもとめない観光客はよろこばないであろうが本当に美味しい京料理を食べたい方にはこの「あじ花」の満足度は非常に高い。

 これからであれば、すっぽんの椀、野菜の焚物、くずを引いたまんじゅう、甘鯛(ぐじ)や松茸ごはんなど、その一口、一口が非常に高い完成度で作られる。「ああ、これが京料理の味なのか。これが京料理なのか。」という事の原点を知りたければ、この「あじ花を」訪ねてはいかがであろうか? お値段も、地元の京都人が通える値段で、とてもリーズナブルである。要するに、料理の分しか値段をとっていない。魯山人や柿右衛門の器や、お庭の値段は含まれていない。だって京都の料理屋の「椀」は一客、何十万もするんです。ですから値段も高くなる訳です。日曜日も営業されているのもいい。あんがい観光客が多い京料理屋も日曜日は休みの店が多いのである。

 という事で、秋は京都へ行こうということですよね。ひんやりしてゆっくりと流れる空気、どこからか流れる三味線の音と京都弁、お寺と紅葉、鴨川の水の音、街を囲む山々。全てが京都なのである。
この街で生まれてよかった。

山村幸広

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  • by yamamura2004 | 2005-09-16 13:33
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