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山村幸広の一日、一グラム

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北新地「かこい山」 鶏鍋の主役は絶品スープ 9月21日
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 滋賀県から大阪に入る。ウエスティンホテルにチェックイン。その後、夕食である。かなり以前から大阪のクライアント様から、一度是非とお誘いを受けていたお店にようやくいく事ができた。北新地にあるそのお店は、大阪では業界人に人気のお店だそうである。

 鶏鍋といって一番に思い出すのは、やはり大分県湯布院の「玉の湯」さんの鶏鍋である。以前にも御紹介したが、玉の湯さんの全てが計算しつくされたお料理でメインディッシュは3種類から選ぶ。「豊後牛のステーキ」「地鶏鍋」「スッポン鍋」である。全て地元のものであるが温泉のお湯を利用したスッポンの養殖も有名である。この選択は究極である。はっきりいって全部食べたいのであるが、肉は東京で旨い店がある。スッポンはなんとなく京料理屋で食べたい。とすればやはり鶏鍋である。こちらの鶏鍋は鶏が最高に美味しく食べられるように作られている。もちろん素材の地鶏も最高である。そしてこの鶏を最高の状態に引き上げる脇役がクレソンである。このクレソンと鶏が最高の組み合わせである。ダシは鶏をベースに醤油で仕上げられている。いわゆるスタンダードな鶏鍋スープである。

 こちらの新地のお店、「かこい山」さんのスープは一目見ただけで美味しいんだろうとわかるスープである。薄い黄色がかったとろみのある濃厚なスープはなんともいえない。最高の味わいである。六本木の香妃園の、あの有名な鶏煮こみそばのスープをもっと濃厚に味わい深くした感じである。これが本当に旨い。まずお店にすわってクライアント様から、「一口スープを先にどうぞ」と言われてしまった。要するに鶏ではなくスープをと言う事である。このお店ではなんといってもスープが主役である。もちろん鶏も新鮮なシメジもとっても美味しい。しかしどうしてもスープを飲みたくなってしまう。具の為にスープがあるのではなく、スープの為に具があるのである。本当に心の底から、もしも可能ならば「お取り寄せ」したい絶品スープである。鍋を食べた後、シメはラーメンである。このままでもまずいはずはない。しかしこれに又、工夫がほどこされて出てきた。キムチのしるというかエキスに麺がからめてでてきた。これを絶品スープでぐつぐつ煮込む。スープにほのかなキムチの赤みがかかってくる。これを取り分けていっきにすする。すこしの辛味が加わり、野菜のエキスとまざってもう最高。あっというまに鍋は空である。満腹と満足感で幸せにしたっていたら、クライアント様が、「大将、ごはん頂戴!」と声をかける。
「山村さんもどうですか?旨いですよ。」
「うまいんでしょうが、もう食べられましぇん。」
ご飯の上に青ねぎと海苔がたっぷりのったご飯がでてきた。鍋に残ったスープをかけて食べる。隣に座っていた身内の社員が旨そうに食べる。
「ちょっと一口、食べたいでごわす。」といって食べてみる。「旨いーーーーーーーー。」いやーー旨いと思ったが想像以上に旨い。魔法のスープである。何にしても、どうやっても旨いのであろう。本当にご馳走をありがとうございました。

 これが大阪ですから値段が又、安いんでありやす。しかし凄い努力が影にある。このお店、約20名ほど入る。この日も満席状態。それを主人、お一人できりもりしている。お手伝いの女性も誰もいない。席には鍋も材料もすでにセットしてあるとはいえ、追加の品も、ビールも酒も全部、ご自分で用意して出す。コストの大きな部分である、人件費をシャットアウトしている。朝は8:00には店にきて仕込みを始める。(昼は営業していない。)夕方までかかって絶品スープ等を仕込み、夕方に開店。そして片ずけも自分でやる。この努力があってこそこの値段で提供して頂けるのである。東京であったら、もう一人の見習いとウエイトレスさんがついて、値段が倍になっていたであろう。

 B級グルメが基本の大阪であるが、これはB級なんかではない。A級を努力でB級の値段で提供しているのである。なんと素晴らしい。しかしこれが大阪の商売の基本である。大阪時代によく耳にした言葉を思い出す。
「ええもん高いのは当たり前。ええもん安いのが大阪。」

山村幸広

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  • by yamamura2004 | 2004-09-22 02:47
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