サービスの評価は上司や、私がするのではない。サービスの評価はユーザーがする。いいサービスはユーザーに支持され、そうでないサービスは見向きもされない。非常にクリアな評価システムである。いい技術がはやるとは限らない。まあ技術的にはなんてことないサービスでも受け入れられればそれはいいサービスということなのである。
最近、ヒットしているサービスはほとんど、技術的にアドバンテージがあるものではない。ということは、参入障壁が低いわけなので、すぐに飽きられたり、後発にぬかれる。自分自身が参入障壁の少ないところへ参入している訳であるから、敵の参入障壁も低いという事になる。
ワクワクして初日を迎える。しかしほとんどのサービスはヒットしない。受け入れられないのである。確率的には、受け入れられるサービスの確立はきわめて低いのである。しかしここからがスタートである。受け入れられなかったら、「見切り千両!」。見切って、止めて、次へいく。見切れば、千両儲かるという意味なんだ。三振した原因を考えているうちに、次のバッターボックスの事を考えるんだ。「打てなかった。しかし次は打つ!」この気持ちで次のバッターボックスに立つわけである。世界一のイチローだって、4割バッター。ようは10回中の6回はアウトになるんだよ。10回中、3回ヒットを打てば素晴らしいバッターなんだ。7回のアウトを会社は責めない。
サービスの企画書を見るとき、「このサービスでいくら儲かる?」なんて考えるより、「やられたらいくら損するか?」と考える。ようは挽回できる範囲で次に次にと挑戦するという事だ。インターネットのビジネスで、「社運をかけたビジネス」をしてはいけない。だって確率的にはアウトになる確立のが高いんだから。
バッターボックスに皆が立ち続けて欲しい。4回たって、3回、三振して、最後にホームラン打った人は、三回の三振なんて関係なくヒーローなんだ。一番困るのは、見逃し三振だ。獲物が目の前を走っているのに、家の中にいる奴は失格だ。獲物が走っていれば、追いかけて、追いかけて、必ず捕まえるんだ。このビジネスは農耕民族ではだめだ。狩猟民族でないと。
ヒットしたサービスは会社をかえる。一つのヒットが会社を変えてしまうんだ。参入障壁の低さ=誰にもチャンスがあるってことだ。大切なのは、バッターボックスに立ち続けることなんだ。立たないと絶対にヒットは打てないから。馬券は買わないと絶対にあたらないんだ。
この商売をやっていて、どこどこに負けたなんて思ったことはない。だって、負けたって誰も言っていないでしょ。ギブアップするまで、やめるまでは、負けじゃないんだ。
俺はやめないよ、勝つまでは。
山村幸広
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