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山村幸広の一日、一グラム

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京味 その3 12月7日
 京味さんについては、その1その2も是非読んでいただきたいが、「現在、東京で一番の和食は「京味」さんです。」と声高らかに言うと、「そんな当たり前の事を今更言ってどうするんだよ!」と先達の方々に言われてしまうだろう。河豚は「味満ん」が一番だとか、肉は「かわむら」が一番だとか、鮨は神泉の「小笹」、と言うのは、それはもう当たり前である。ただ、この“当たり前”と言う評価を永続的に得るのはそんなに簡単な事ではない。しかし、これらの名店は、毎日、毎年、変わらない仕事をして、客の絶対的な評価を得ている。ケチを付けるのが大好きな自称グルメもこれらの店では、文句を言えない。

 私のブログを読みに来ていただく人の検索ワードランキング上位は、「京味」「かわむら」「かこい山」「ロオジェ」「味満ん」である。要はこれらのお店は皆が注目をしていると言ってもいいのだ。

 久しぶりに京味さん。京味さんのカウンターに座ると、料理が想像できる。この時期は多分、「このわたの飯蒸し」か「かす汁」が最初だろうなあ。津居山のずわい蟹と香箱のセットが出て来るだろうなあ。お椀は「鱈の白子」か「甘鯛」だろうな。すっぽん鍋だろうなあ。シメはもちろん、ますのすけの鮭はらすごはんだろうなあ。そしてあの作り立ての、「くずきり」だろうなあ。

 料理は別に奇をてらう事や、何か新しい事をする訳でもない。この一番美味しいものを、一番美味しくで出すだけなのである。いつも思う。しかしそれが食べたいんだ。もし京味さんに行ってますのすけを食べなかったら後悔します。当たり前の料理なのに、何度でも食べたい。こう思わせる料理。これが京味さんの本領なのである。鮨屋と河豚屋は別である。河豚屋と鮨屋は同じネタで同じメニューでも良い。しかし和食屋は違う。それだけに、例えば、鮨屋で必ず中トロの握りを食べるように、この店でこのわたの飯蒸しが食べたいと思わせることが凄い。これがこの店の凄さなのである。

 それだけではない。客の扱いも、料理のテンポも雰囲気も、やはり一流なのだ。ご飯がからになったら誰かが必ず、「お代わりはどうですか?」と声を掛ける。全てが自然でかつ丁寧で、ずれない。

 先日、店主の西さんが、「社長、上田(銀座 井雪)のところへ行ってくれてはるんですよね。」「ええ、2,3回ですが。」「頑張ってますから。よう言うてきかしてますので宜しくたのんます。」こう言って、愛弟子の事を気に掛ける。店を出たら、タクシーに乗るまで、ゲタで走って客を見送る。

 「満足して帰る。」そして、「もう一回、来たいと必ず思う。」素晴らしいお店である。京都出身の私が答える。一番美味しい和食屋はどこですか?
「東京いや、日本で一番美味しい和食屋さんは、京味さんです。」

 山村幸広

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  • by yamamura2004 | 2006-12-08 00:43
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