家で手軽にできて美味しく食べられる鍋。この代表は「豚しゃぶ」である。
京都出身の小生にとって、豚しゃぶとはあまり想像できない食べ物であった。何度もいうが、関西は牛肉の文化、関東は豚肉の文化が根にある故。すき焼きにしろ、しゃぶしゃぶにしろ、京都いや関西では、豚を使う事はほとんどない。牛である。この豚しゃぶというものに興味を持って、そしてその味に感服して食べるようになったのは、食通作家の佐藤隆介氏のエッセーを読んでからである。それからその美味しさに魅せられて、家でやるようになった。
休みなので久しぶりに家で、豚しゃぶといく。小生の豚しゃぶのやり方は、基本的に佐藤隆介先生流である。まずお湯を鍋にはる。最大のポイントは水1に対して酒1、水と同じ量の酒を鍋にはることである。「豚に酒をたくさん飲ませて美味しくする。」が佐藤流である。そして豚を用意するが、豚は先生とは違う好みがある。小生はあっさりしていて臭みのない豚を選ぶ。湘南ポークもしくは東京XO豚である。ジューシーで脂っこい味が好きな方にはお勧めできないが、あっさりとした美味しさが好きな方にはお勧めする。ほとんどアクが出ない鍋となる。
そして付け合わせの野菜で絶対に欠かせないのがレタスである。レタスを豚と同じタイミングで鍋にいれて、同じタイミングで鍋から出す。そして豚と一緒に口にいれる。これが本当に旨——————いいいいいいいい!!!!!。レタスのシャキシャキ感と豚の食感がベストマッチ。レタス1玉は軽く食べることができる。他にもクレソンなどを用意するがレタスがあればよし。レタスを欠かしてはいけない。
ポン酢は、最近、青山のナチュラルハウスのポン酢が気にいっている。これもあっさり味で後口が良い。「ポン酢ぐらい自分で作れ!!」という佐藤先生の怒り声が聞こえてきそうだ。是非、皆さんはご自分でお作りください。辛みには、小生は、湯布院の“玉の湯”さんのゆず胡椒を使う。(これは佐藤流でなく山村流。)ポン酢に実はこのゆず胡椒が合うのである。ポン酢の中に、このゆず胡椒を入れて豚とレタスを浸ける。そして口の中に。ああーーー口福である。酒は焼酎をロックで。お気に入りの、「兼八」か「銀の水」といきたいところであるが、ここは先生を立てて、今夜は「オ・ヘンリー」をロックでやる。これが旨い!!!!!!
シメは脂分を取って、赤味噌でうどんにする。ねぎを大ぶりに切って入れ、卵を割っていただく。豚風味味噌煮込みうどんである。これがまたまた、本当に旨いんですわ。たまらんでやんす。
おいしいなあ。豚しゃぶ。これは誰にでもできますからねえ。豚肉は牛肉に比べてもお安いですしね。
この週末、皆さんもどうぞ。
山村幸広
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