中国にはこの2年間で何度行ったかわからないぐらいに行ったが、いつも上海、北京に限られていた。ビジネスは上海と言われているが、どうしても通信系のインフラ会社は北京になる。要するに政府系というべき会社。例えば、チャイナテレコムやチャイナモバイルなど。日本で言えばNTTやNTTドコモである。そういう意味でも北京は重要である。また、ポータルカンパニーも北京にある。
そして今回は初めてになる広州上陸になる。位置的にはほぼ香港に近い。飛行時間は5時間ほどかかる。広州から特急で、2時間ほどで香港に行ける。これで大体の位置関係がお分かりであろう。古くから経済的に大発展をした香港とつながってきた訳だから、よく考えれば広州が発展しない訳がない。広州の人間に言わせれば、人口は中国全土の10%ほどであるが、中国全体のGDPの25%を占める重要都市であるそうだ。HONDAさんが工場を持っていたりと、製造業の方にとっても重要な拠点であり、日本とも関係が深い土地である。
リバーサイドホテルにチェックインする。ファイブスターではないがビジネスで利用するには十分である。ベッドも硬くてお湯の勢いもよい。そしてタオルの質も文句はない。それで値段が400元であるからコストパフォーマンスの高いホテルである。
中国人、日本人、そしてマレーシア人と混ざって約10人程度で夕食をする。場所は現地の方のお勧めであるドラゴン飯店(覚えやすい名前)。言葉は中国語と英語を色々な人が翻訳をしつつ何とか意思疎通をはかる。
最初の15分ほどは少し重い雰囲気が続いた。日本から持ってきたサントリーの銘ウイスキーの「響」を開けて皆に勧める。「これが私の生まれ故郷でつくられた酒です。」と申し上げた。自信と共に日本が誇るウイスキーを勧める。嬉しい事である。そして中国の方が白酒(バイジュウ)という50度を越える米で作った酒を出してきて振舞われた。
最初に小生が口火をきって、その強い酒を一気に飲み干した。そして顔色を変えずに、「お代わり!!」と叫んだ。(本当は結構辛かった。)しかし、これで一気に場が和んだ。30分後には、もうそこらじゅうで、「乾杯!」の声が聞こえた。一時間後には、もう全員総立ちで大宴会である。言葉もいつの間にか通訳がいらなくなって筆談や身振り手振りで話し始めていた。酒とは偉大な、本当素晴らしいコミュニケーションツールである。酒が人と人をつないでいくのである。
中国人は酒を飲んだ上でないと本音を話さないという信念から、相手の言葉も酒の上でないと信じないとされる。多分、「飲めませんから。」で終わると、中国ではビジネスに支障をきたすであろう。
「乾杯」は杯を乾かすと書く。要するに、一気飲みが基本である。しかも、ここ広州では杯を飲み干して、その空のグラスを相手に見せなければいけないというルールまである。恐ろしい。という事で、この日も痛飲である。しかし楽しい酒であった。
ある中国人は言った。「政治とビジネスは関係が無いと思っている。」小生はあえて言葉を返さなかった。しかし、人がこうやってつながっていくのは事実である。それは韓国でも中国でも一緒である。酒で本音を言う人間を疑う必要があるであろうか。酒は素晴らしい。
文化と酒盛りに国境はない。
P.S. 街で流行っていたのは、なぜかたこ焼き。でも味(ソース)は全然違います。たこ焼きは6個で4元(約60円)でした。
山村幸広
【関連リンク】