黒はフランスのベリゴール、白はイタリアのピエモンテの物が最高級とされている。日本でいえば、京都は丹波の松茸のようなもんだろう。今年も10月は白トリュフが日本に空輸されてきて多くの日本人がその芳しき香りを愉しんだことであろう。
日本人の舌は、味覚や嗅覚には本当に貪欲である。経済的にインプルーブされているとはいえ、世界中からこのような食材を買い付けてくる。特にこういう季節ものに弱い。
白トリュフとはどういうものか? 日本でも「香り松茸、味しめじ」と言うが、イタリア人、もしくは世界中の美食家にとっては、まあ、秋の松茸みたいなものであろう。その香りと季節と希少価値を愉しむものなのである。
今年は、青山のナリサワさんの白トリュフフェアにも参加させて頂き、とれたて直送のものを食べさせて頂いたし、毎年、ラ・シュエットでもこの香りを愉しむ事ができる。
普段はイタリア料理を少し下に見ているフレンチレストランも、この時期はこのイタリアを代表する素材を使う。そういえばキャビアも使うよなあ。要するに美味しい素材は世界中どこでもいいのであろう。これがいわゆる近代的シティレストランの存在であり、いいところである。昔は全て、その地のものしか使えなかったのであるから。
今年はかなりの高価なものとなっているそうである。イタリアでも高くなっているのか、それとも日本向けのものの値段が高くなっているのかは分からないが。
白トリュフは黒トリュフの上品な香りに比べて香りがきつい。一般的にはニンニクの香りに近いとされている。なんともイタリア的ではないか。
さて、この白トリュフはどうやって食べれば一番美味しいだろうか??
小生のお勧めは、間違いなく「パスタ」もしくは「リゾット」である。要するにイタリア料理である。シンプルなパスタやリゾットのような炭水化物に合わせて、香りとクセを愉しむのである。野菜とあわせるとすれば、ジャガイモであろうか? 食べたことはないが、白トリュフのポテトサラダなんて美味しそうではないか?? どうしても肉系と言うのであれば、鶏の胸肉なんぞはいかがであろう。胸肉をオリーブオイルでポワレして上質の塩と胡椒。そしてこの白トリュフをたっぷりふりかける。これもなかなか旨そうでやんす。こんなのはどうだろうか? 「白トリュフ塩ラーメン」。鶏と野菜でとったスープに野菜をトッピングしたラーメンに、白トリュフをかけて頂く。うーーーん、旨そう。でもやりすぎでしょうね。
まあ、という事で、この秋という季節は本当に曲者である。旨いもんばっかり。胃がひとつではたりないよ。
なぜ人間は一日、三食しか食べないのであろう?
山村幸広
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