久しぶりに、小山薫堂さんと食事にいく。場所は、「かわむら」。小山さんに持ち込んで頂いた酒をやる。いつも小山さんの心配りには頭が下がる。今日の酒は、小生の一番好きなシャンパンであるKRUG。最初にこれをやる。キャビアを注文しようとしたが、コレステロール値を指摘されている小山さんがパスとのことなので小生も我慢してキャビアを遠慮する。最初の一品は旬の松茸。松茸の一番美味しい食べ方は、もちろんフライである。そしてついでに剥き立ての牡蠣もフライにしてもらう。牡蠣は何もつけずに食べると塩の香りで最高に旨い。新鮮な牡蠣だからできる贅沢なフライである。
そしてサラダの後、メインの肉へ。河村氏いわく、「今日の肉の味は忘れてほしい。」とのたまいた。これほどの肉はめったにない故、この味をベースにしてもらったら次から出せないというのである。それもうなずける見事な味であった。ヒレにして、ジューシーで味わいが深い。目をつぶって食べればロースほどである。それでいて上品なサシだからこそでる上品な味わい。そのサシはまるで、大間の最高級の中トロに匹敵する。まさに究極の牛肉であった。
これにあわせて酒は、カリフォルニアの「ポートフォリオ」。 もう今や、カリフォルニアの最高級はオーパスワンではなく、ハーランエステートやこのポートフォリアであろう。しかもこのポートフォリオは本当に手に入りにくいらしい。小生も見るのも味わうのも初めてである。華やかにあけた瞬間にひらく香りと濃く深い、チョコレートのような味わい。それでいて強くなく控えめな、乙女の味わい。あと10年寝かしたら、完璧なレディになるのであろう。
シメは小山さんのリクエストでミートスパゲティ。100グラムで一万円の肉で作るミートソースとはいかなるものか? 味の評論家、小山さんにして、現在これを越えるミートソースを食べたことがないそうである。おしげもなく細切れにされる究極の肉、これにタマネギとトマトピューレでつくられる、非常にシンプルなもの。隠し味に、かわむら特製のコンソメが入れられた。
これが旨い!!!!!!!!!!。本当に旨い!!!!!!!!!!!!。肉汁の味である。肉汁の味といえば、脂っこい感じがするかもしれないが、さすがチャンピオン牛だけあって肉汁が旨い。なんと贅沢なミートスパゲティであろう。多分、今後のシメの一番人気はオマールのカレーからこちらになるのでは? しかし一皿、いくらなんざんしょ?でも価値がある一皿である。
しかし河村さんは凄いでやんす。この人は作ってる姿が美しい。また手際もいい。そしてなにより楽しんで作っているのが伝わってくるので、いくら店がこんでいてもゆるやかな空気が店内に広がる。まさに、河村マジックである。
食事の後も小山さんとの酒は続く。この男もさすが九州男児。酒が強い。そして楽しい。小生の家から100メートルも離れていない彼の家の前で別れた時はもう朝が近くなっていた。
やはり酒に学習効果はなかった。
PS 酔っ払っているのがよくわかる。写真がボケボケである。言い訳をさせて頂ければカメラを
新しくしたのだが、使いこなせない。元に戻します。すいましぇん。
山村幸広
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