小生は雇われ社長に誇りを持っている。日本一の雇われ社長、雇われ社長のプロを目指している。よっていまだかつて、自分で会社を起こそうと思った事はない。こんな言い方は乱暴だと思われるかも知れないが、会社は、少しのお金と印鑑で作ることができる。まあいえば能力がなくても会社を作って社長になる事はできる。しかし雇われ社長は違う。能力とスキル、バックグラウンド、パッション、リーダーシップ、ビジョンがなければ雇ってもらえない。雇われる能力がなければ、なれないのである。
伊藤忠商事の社長になるには印鑑とお金ではなれない。日々、それも何十年もかけて信用を積み上げて、毎日同じワークを繰り返し立身して、そして大きな運にめぐり合わなければなる事ができない。芸能人で1,2年スポットライトを浴びる事も人生だと思うが、サラリーマンとして何十年もかけて信用を積み上げて立身するという事は、実は大変なスキルと努力と忍耐力が必要なのである。
なぜ、いきなりこんな事を書いているかと言うと、あまりにも世の中の風潮がサラリーマンをバカにしているような気がするからである。社長でちょっとばかり成功した(一瞬)人が雑誌やメディアで取り上げられていて、そしてなにか成功した人間のように紹介されているのがちょっと違うのではないかと思うからである。
よく新橋で飲んでいるサラリーマンがTVで赤い顔をして取材を受けて、くだらない事を言っている時があるが小生はバカにして見た事はない。いつも上司に、客に、文句を言われて頑張っているんだ。もちろん不条理と闘っているんだ。ちょっと安い酒を飲んで愚痴って、くだらない事の一つでも言ってなにが悪いんだ、と。最近は、オヤジの1カ月のおこずかいが3〜5万円程度らしい。他のお金は全て家族の為に使っている。娘はそれを当たり前のように、OLとしての給料を自分で全て使っている。オヤジは吉野家で290円の豚丼を食べて、新橋の焼き鳥屋で飲む。娘や息子は洒落たイタリアンレストランで1000円のランチ。夜は合コン。それでもオヤジは娘の帰りを心配して深夜でも起きて待っている。それは小さいときから愛情の全てを注ぎ込み育てたからだ。無償の愛を与え続けたからである。病気の時は寝ずに抱きしめて看病してきたし、金がなくても病院へ連れて行ったのである。オヤジはデスカウントショップでスーツを買う。娘や息子はブランド品を身にまとう。それでもオヤジは家族の為に頑張る。明日も会社で闘う。嫌な上司や生意気な部下、不条理な顧客の中で、それでも責任感で頑張る。サラリーマンは頑張っている。
なんか愚痴っぽく書いてしまってすいません。全ての方がこういう方でなない事も知っています。でもオヤジも頑張っているのでちょっと誇張して、一部の事実を取り上げて書かせて頂いた。
話がかなり脱線したが、伝えたかったのは、サラリーマンはかっこいいという事である。仕事場はサークル活動のように好きな連中が集まって遊んでいるのではない。嫌いな奴も一杯いる。その中で積み重ねていく場所なのである。サラリーマンも常に大きな責任を持っている。サラリーマンも失敗はできないのである。常勝でなければいけないのである。仕事も、預かる金額も、増えていく。責任を持って会社の為に闘う、家族の為に闘うサラリーマンはとてもかっこいいんだ。
起業が全てではない。しかもおかれた環境から抜け出せずに、成果も結果も出せずに起業して、それがかっこいいのであろうか? 小生は正直に、小生より、伊藤忠の丹羽会長の方がかっこいいと思う。小生にはできない。男である。
考え方が古臭いとか、オヤジ臭いなんてこれっぽっちも思った事はない。人間がいきていく為の真理は普遍なのである。かっこいい男の条件をもう一度考えておきたい。本当に評価されるべき人々が評価される世の中であって欲しいと切に願う。
どうも女性読者が大半の小生のブログにそぐわない内容であったかも知れないが、是非皆様の彼氏や旦那様を励まして欲しいんです。宜しくお願いします。
胸を張ろう。日本のサラリーマン。貴方の苦労はきっと報われる。
神はきっと貴方を見ている。
山村幸広
【関連リンク】